素朴な毎日、感じたこと、考えたこと、ひとりごと、備忘録
Posted by chika - 2008.08.08,Fri
8月3日から5日間、ママの次女リムの結婚式がありました。
わたしにとって妹のようなお姉ちゃんのような友達のような存在のリム。泊まり込んで、お手伝い&観察の毎日でした。
1日目から4日目までは、花嫁と花婿はそれぞれの家庭で別々にパーティを開きます。
1日目(8月3日)、ヒジュラ暦第8月シャアバーンの1日目。新月の綺麗な夜にリムの結婚式が始まりました。

この日はヘンナを始める日。日本ではヘンナはヘアカラーとして有名ですが、チュニジアでは手足の装飾に使われます。ヘンナを水で練って手足に塗りつけ、そのまま6時間ほど置いておくと、皮膚が赤黒く着色。下の写真は、水で練る前のヘンナ(良質なヘンナが取れるガベス産)。

1日目は、花嫁がヘンナを施されるのをひたすら見て、爆音のなか踊る。22時から始まり、1時半終了。

2日目(8月4日)、美容院とハマーム(公衆浴場)とヘンナの日(ハマームに行くのは伝統的な結婚式のやり方で、今はあまり見かけません)。美容院から出てきた花嫁は怒り心頭のご様子。髪の毛を染めたのですが、気に入らなかった模様。
彼女をなだめてハマームに行き、家に戻って花嫁は2回目のヘンナ。色をより赤黒くするために、3回繰り返します。
花嫁が休んでる間も、家族は仕事が盛りだくさん。家の掃除に、食材の買出し。バケツ一杯のニンニクをむき、キロ単位のパセリを刻む。羊を1頭さばき、内臓の処理や頭の丸焼きをお手伝い。やることの多いこの日、お仕事が休みでよかった~。
夜は3回目のヘンナ。ヘンナをすると手足が動かせないので(歩けない、物が持てない)、すごいストレス。花嫁もお疲れモードのため、0時半にて早めに終了。

3日目(8月5日)、午後にスッカル(砂糖と水とレモンを煮詰めたカラメル)で、体中のむだ毛処理。全身真っ赤になりながら、痛みをこらえる花嫁。その後、ナクシャと言われる飾り(一見、刺青風の飾り。日が経つと消えていく)を胸や腰に描く。それもこれも初夜のため。イスラム教では、婚前交渉は禁忌事項(まぁ、守らない男性も多いのですが…)。そのため初夜は神聖で、花婿も花嫁も待ち焦がれた日です。南部地方では、初夜の次の日にシーツを親族に見せて処女を証明する伝統が残っているんだそう。そこまでいかなくとも、花婿は親族に花嫁が処女だった旨をこそっと伝えるんだそうです。
さてさて。夜は夜で、ロティーヤという花嫁のご近所さん、親戚を呼んでの大々的なパーティ。夕食を200食分作って振舞う(ここで昨日さばいた羊が振るまわれる)。お菓子やジュースも振舞って、もうてんてこ舞い。やることが終わったら着替えて、ひたすら踊る(もちろん花嫁も!)。3回のお色直し、1時半に終了。後片付けやら団欒やらで3時過ぎ就寝。


4日目(8月6日)、この日は何もなし。明日花嫁は嫁ぎ先に行ってしまうので、この日が家族水入らずの最後の夜。お邪魔せず。
5日目(8月7日)、この日は花嫁が嫁ぐ日。ウェディングドレスを着た花嫁を迎えに花婿がやって来るのを、みんなで踊って待ちます。

22時、花嫁と花婿の乗った車を先頭に、パーティ会場へ向かいます。場所は花婿の実家のあるブサーレムというところ(ガルディマウから車で1時間半)。感覚的に、日本の披露宴に近い感じ。ここでもひたすらに踊りまくります。


1時半にパーティが終了し、そのまま花嫁と花婿は新居(ハマメットという町)へ向かいます。家族とのしばしのお別れ。
彼女たちは数日ハマメットで過ごした後、スペインを旅行し、ジェルバ(国内)を旅行します。花婿がいい仕事をしてるために出来る贅沢。一般的な新婚旅行は国内で精一杯なので、皆から羨ましがられていました。
これまでいくつかの結婚式に参加してみて「なんで何日にも亘って式をするんだろう」とか「なんでこんなに深夜まで踊るんだろう?」とか不思議だったけれど、リムの結婚式に参加してみて、色々と感じ入るものがありました。
いつも誰かと一緒にいるチュニジア人は、花嫁の準備(ヘンナやナクシャ)までもパーティにしてしまう。
そしてアラブの結婚は花嫁花婿のためだけでなくって、親族のためだけでもなくって、コミュニティのためにも存在しているということ。新たな“家”の誕生をみんなが歓迎し、喜び、踊る。
それと踊るということは、おめでとうという気持ちを表現できる一番の手段なのかも。嬉しい気持ち、おめでとうという気持ち、そしてちょっぴり悲しい気持ちをかき消すために踊る。
いい経験をさせてもらいました。
そして式場からの帰り道、ものすごく星が綺麗で見惚れました。小さな星もよく見えて、流れ星もたくさん流れて。
あ~、リムの新しい人生が幸せと笑顔に満ちますように。
わたしにとって妹のようなお姉ちゃんのような友達のような存在のリム。泊まり込んで、お手伝い&観察の毎日でした。
1日目から4日目までは、花嫁と花婿はそれぞれの家庭で別々にパーティを開きます。
1日目(8月3日)、ヒジュラ暦第8月シャアバーンの1日目。新月の綺麗な夜にリムの結婚式が始まりました。
この日はヘンナを始める日。日本ではヘンナはヘアカラーとして有名ですが、チュニジアでは手足の装飾に使われます。ヘンナを水で練って手足に塗りつけ、そのまま6時間ほど置いておくと、皮膚が赤黒く着色。下の写真は、水で練る前のヘンナ(良質なヘンナが取れるガベス産)。
1日目は、花嫁がヘンナを施されるのをひたすら見て、爆音のなか踊る。22時から始まり、1時半終了。
* * * * *
2日目(8月4日)、美容院とハマーム(公衆浴場)とヘンナの日(ハマームに行くのは伝統的な結婚式のやり方で、今はあまり見かけません)。美容院から出てきた花嫁は怒り心頭のご様子。髪の毛を染めたのですが、気に入らなかった模様。
彼女をなだめてハマームに行き、家に戻って花嫁は2回目のヘンナ。色をより赤黒くするために、3回繰り返します。
花嫁が休んでる間も、家族は仕事が盛りだくさん。家の掃除に、食材の買出し。バケツ一杯のニンニクをむき、キロ単位のパセリを刻む。羊を1頭さばき、内臓の処理や頭の丸焼きをお手伝い。やることの多いこの日、お仕事が休みでよかった~。
夜は3回目のヘンナ。ヘンナをすると手足が動かせないので(歩けない、物が持てない)、すごいストレス。花嫁もお疲れモードのため、0時半にて早めに終了。
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3日目(8月5日)、午後にスッカル(砂糖と水とレモンを煮詰めたカラメル)で、体中のむだ毛処理。全身真っ赤になりながら、痛みをこらえる花嫁。その後、ナクシャと言われる飾り(一見、刺青風の飾り。日が経つと消えていく)を胸や腰に描く。それもこれも初夜のため。イスラム教では、婚前交渉は禁忌事項(まぁ、守らない男性も多いのですが…)。そのため初夜は神聖で、花婿も花嫁も待ち焦がれた日です。南部地方では、初夜の次の日にシーツを親族に見せて処女を証明する伝統が残っているんだそう。そこまでいかなくとも、花婿は親族に花嫁が処女だった旨をこそっと伝えるんだそうです。
さてさて。夜は夜で、ロティーヤという花嫁のご近所さん、親戚を呼んでの大々的なパーティ。夕食を200食分作って振舞う(ここで昨日さばいた羊が振るまわれる)。お菓子やジュースも振舞って、もうてんてこ舞い。やることが終わったら着替えて、ひたすら踊る(もちろん花嫁も!)。3回のお色直し、1時半に終了。後片付けやら団欒やらで3時過ぎ就寝。
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4日目(8月6日)、この日は何もなし。明日花嫁は嫁ぎ先に行ってしまうので、この日が家族水入らずの最後の夜。お邪魔せず。
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5日目(8月7日)、この日は花嫁が嫁ぐ日。ウェディングドレスを着た花嫁を迎えに花婿がやって来るのを、みんなで踊って待ちます。
22時、花嫁と花婿の乗った車を先頭に、パーティ会場へ向かいます。場所は花婿の実家のあるブサーレムというところ(ガルディマウから車で1時間半)。感覚的に、日本の披露宴に近い感じ。ここでもひたすらに踊りまくります。
1時半にパーティが終了し、そのまま花嫁と花婿は新居(ハマメットという町)へ向かいます。家族とのしばしのお別れ。
彼女たちは数日ハマメットで過ごした後、スペインを旅行し、ジェルバ(国内)を旅行します。花婿がいい仕事をしてるために出来る贅沢。一般的な新婚旅行は国内で精一杯なので、皆から羨ましがられていました。
* * * * *
これまでいくつかの結婚式に参加してみて「なんで何日にも亘って式をするんだろう」とか「なんでこんなに深夜まで踊るんだろう?」とか不思議だったけれど、リムの結婚式に参加してみて、色々と感じ入るものがありました。
いつも誰かと一緒にいるチュニジア人は、花嫁の準備(ヘンナやナクシャ)までもパーティにしてしまう。
そしてアラブの結婚は花嫁花婿のためだけでなくって、親族のためだけでもなくって、コミュニティのためにも存在しているということ。新たな“家”の誕生をみんなが歓迎し、喜び、踊る。
それと踊るということは、おめでとうという気持ちを表現できる一番の手段なのかも。嬉しい気持ち、おめでとうという気持ち、そしてちょっぴり悲しい気持ちをかき消すために踊る。
いい経験をさせてもらいました。
そして式場からの帰り道、ものすごく星が綺麗で見惚れました。小さな星もよく見えて、流れ星もたくさん流れて。
あ~、リムの新しい人生が幸せと笑顔に満ちますように。
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Comments
さっちゃん
ほんとリム、綺麗だよねぇ。26歳にしては、色気あるよね。綺麗で賢くて、とってもお茶目な花嫁さんです。いや~花婿、見る目ある! とっても幸せ感じる5日間だったよ~。
年末、チュニジア来れそうかな?家族みんな、さっちゃんが来るのを楽しみにしてるよ~♪
年末、チュニジア来れそうかな?家族みんな、さっちゃんが来るのを楽しみにしてるよ~♪
すごい!!
素敵な結婚式。そしてリムさんキレイ!!
家族で大切に迎える結婚の儀は日本ももっと見習わなきゃと思ったよ!
心しみる結婚式だ、って伝わってきた。
リムさん幸せものだねー!!!
そう、わたしの披露宴のビデオ、ちかこに送らなくちゃね!
鏡開きとか、日本っぽい内容があるので、チュニの人にみせてもらいたいかも♪
家族で大切に迎える結婚の儀は日本ももっと見習わなきゃと思ったよ!
心しみる結婚式だ、って伝わってきた。
リムさん幸せものだねー!!!
そう、わたしの披露宴のビデオ、ちかこに送らなくちゃね!
鏡開きとか、日本っぽい内容があるので、チュニの人にみせてもらいたいかも♪
まきこ
リムは美人さんだねぇ。見惚れたよ~。
うん、チュニジアは親族ありき、ご近所さんありきの結婚だからね、面倒な部分もあるけれど、見習いたいよね。
> わたしの披露宴のビデオ、ちかこに送らなくちゃね!
あ、ぜひお願いします。みんな日本の結婚式に興味があるから、きっと喜ぶよ!
うん、チュニジアは親族ありき、ご近所さんありきの結婚だからね、面倒な部分もあるけれど、見習いたいよね。
> わたしの披露宴のビデオ、ちかこに送らなくちゃね!
あ、ぜひお願いします。みんな日本の結婚式に興味があるから、きっと喜ぶよ!
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